最近、文部科学省と東京大学が、インドの大学院生約300人を対象に、年間最大300万円の支援を行うと発表し、大きな話題を呼んでいます。
AIやデータサイエンス分野で優秀な人材を確保し、日本の技術競争力を強化することを目的とした施策ですが、疑問や批判の声も上がっています。
この記事では、この政策の詳細を解説し、ネット上で噴出する疑問に対して、政府の意図や今後の課題を交えながら考察していきます。
インド人留学生に年間最大300万円支給!政策の詳細とは?
文部科学省と東京大学は、インドの大学院生約300人を対象に、年間最大300万円の支援を行うことを発表しました。
インド人留学生に1人年300万円 AI人材確保へ文科省
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) February 13, 2025
【日経イブニングスクープ】https://t.co/xWpTU25qzp
2028年度までにインドからの留学生数を倍増させることを目標としています。
インドは世界的に優秀なIT・AI人材を輩出する国として知られ、欧米の大手IT企業でもインド人エンジニアや経営者が活躍しています。
日本もこうした人材を取り込み、技術力を高めることを狙っています。
しかし、この政策に対しては、
- なぜ日本人学生よりも外国人留学生に手厚い支援をするのか?
- インド人は本当に日本に定着するのか?
- 日本の労働環境で満足できるのか?
といった批判の声が多く聞かれます。
なぜ日本人学生ではなく、外国人留学生に支援をするのか?
インド人留学生に1人年300万円支援て。日本、もう勘弁してくれ
— ピピ (@t7Q9GBxwb9qWgwz) February 13, 2025
ネット上では、「日本の学生は奨学金を借金として返済しなければならないのに、なぜ外国人には無償で最大300万円も支給されるのか?」という疑問が多く寄せられています。
日本人学生向けの支援も拡充されている
この疑問に対し、政府は日本人学生向けの奨学金制度や授業料免除制度を拡充しています。

例えば、日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金や、大学ごとの学費減免制度など、日本人学生を支援する制度はすでに存在し、拡充も進められています。
日本の技術競争力を強化するための戦略
また、この政策の最大の狙いは、日本の技術競争力を向上させることにあります。
つまり、日本人学生への支援を削減するわけではなく、日本の技術革新のために外国人留学生の受け入れも強化するという戦略の一環であると考えられます。
インド人留学生は本当に日本に定着するのか?
次に、支援を受けたインド人留学生が日本に定着するのかという疑問について考えてみます。
ネット上では「せっかく日本が支援しても、卒業後に欧米などへ流れてしまうのでは?」という懸念の声も上がっています。
日本企業の受け入れ体制がカギ
インド人留学生に1年間300万円の支援だって…!!!?😱
— ひとくちポスト (@hitokuchipost) February 13, 2025
AI人材確保したいんだってさ…😓
一方で…
インド人留学生😁
「日本の大学生は、"英語力"足りてないからどうにかして」
↓↓けっこうボロクソに言われてる…😅 pic.twitter.com/o2hDpfiLmM
この点について、日本企業がインド人技術者を積極的に採用し、日本で働きやすい環境を整えれば、定着の可能性は十分にあります。
すでに一部のIT企業ではインド人エンジニアを採用する動きが進んでおり、受け入れ態勢は少しずつ整いつつあります。
日本での就職義務はない
ただし、現時点では「奨学金の受給条件として、一定期間日本で働くことを義務付ける」という制度は発表されていません。
そのため、最終的に日本で働くかどうかは、待遇やキャリアの選択肢によって決まる可能性が高いと言えるでしょう。
日本企業の給与水準や働きやすさが、インド人技術者の定着に大きな影響を与えることは間違いありません。
日本の労働環境でインド人は満足できるのか?
もう一つの大きな懸念は、日本の労働環境がインド人にとって魅力的なのかという点です。
日本のITエンジニアの給与は欧米と比べて低く、また、長時間労働や英語が通じにくい企業文化も大きな課題となっています。
給与水準の問題

特に給与面では、アメリカのシリコンバレーと比較すると日本のITエンジニアの年収は大幅に低いため、日本企業が高待遇を用意しなければ、インド人技術者が欧米へ流れてしまう可能性があります。
日本企業の英語対応
日本企業の英語対応も遅れており、楽天やメルカリのように英語を公用語とする企業が増えれば、より多くのインド人が働きやすくなるでしょう。
ジョブ型雇用の導入で変わる可能性

しかし、日本の働き方改革が進み、「ジョブ型雇用」(スキルに応じた採用・給与)を導入する企業が増えれば、インド人エンジニアにとっても魅力的な職場となる可能性があります。
今後、日本の給与体系や労働環境がどこまで改善できるかが、この政策の成否を分ける大きなポイントになるでしょう。
まとめ
この政策の成否は、日本企業がどれだけインド人技術者にとって魅力的な環境を作れるかにかかっています。
単に「支援金を提供する」だけではなく、受け入れ体制の整備や給与・労働環境の改善が求められるでしょう。